神戸で遺産相続問題に取り組む弁護士のブログ 孫に対する贈与は相続に影響を及ぼすの?
2020/08/26
孫に対する贈与は特別受益に該当するのか
神戸も暑い日が続いています
神戸の家庭裁判所は駅から離れているので、汗だくになりながら通っています
遺産相続に関する相談の中で、他の相続人の奥さんや子供に対する贈与に不満を聞くことがあります
よく聞くのは、大学進学した孫に学業資金などを支援したことを、不平等だと訴える方が多いような気がします
では、相続人の奥さん、子どもに対する贈与は、遺産相続に影響を及ぼすのでしょうか
特定の相続人に対する贈与については、特別受益というものに該当し、遺産相続の際に、贈与した金額も考慮することが多いです
例えば、相続人A、Bのうち、被相続人が生前Aに対して住宅資金として1000万円を贈与していたとします。そして、被相続人が亡くなった時の財産が1000万とします。この場合、住宅資金として贈与された1000万円は特別受益となり、この1000万円に遺産に戻して、被相続人の遺産額は2000万円であることを前提として遺産分割を行うこととなります。そして、ABそれぞれの法定相続分は1000万円となりますが、Aは既に1000万円をもらっていることになるので、今回の遺産分割では1円ももらえず、Bが残っていた財産1000万円を相続することになります。
孫や奥さんに対する贈与も特別受益として考慮してもらいたいという人は多いのではないでしょうか?
しかし、孫や奥さんに対する贈与は、単なる名義貸しであり、真実は相続人に対する贈与であるなどの特別な事情のない限り、相続人の特別受益とは考えず、持ち戻しの対象とはなりません
すなわち、特別な事情がない限りは、孫や奥さんに対する贈与は、遺産分割に影響は及ぼさないということになります。
特別受益に該当するか否かの判断は難しいと思います。もし、特定の相続人にだけ、多大な贈与がなされていた、このまますんなりと相続できないという人は、遠慮なく、当事務所に相談ください。
リライト神戸法律事務所では、遺産分割事件にも力を入れて取り組んでいます